タイの首都バンコクでは今、たこ焼きを筆頭に日本発の軽食やスイーツがブームになっています。たこ焼きがブームなの？と疑問に思われるかもしれませんが、バンコクではたこ焼きはブームを超えてもはやポピュラーな食べ物という位置づけになるほど浸透しています。たこ焼き以外にもさまざまな日本初の軽食やスイーツが人気を集めていますが、なぜ遠く離れたバンコクで日本初の食品がブームになっているのでしょうか。

タイで浸透する日本食

タイでは近年、日本食が浸透しつつあります。最初に受け入れられたラーメンを皮切りに牛丼屋寿司などいわゆるファストフードを中心に日本の外食チェーンが次々とタイに進出し、バンコク市内には多くの日本食を提供する飲食店が営業しています。

バンコクでヒットする「TAKOYAKI」

そんなバンコクで最近大きなブームになっているのがたこ焼きです。たこ焼きは日本で見かける中にタコが入ってソースと青のりがかかったオーソドックスなもので、具材のアレンジなどローカライズされている部分は見られますがベースは我々のよく知るたこ焼きそのままです。名前もそのまま「TAKOYAKI」で通じます。

たこ焼き人気は日本旅行ブームがきっかけ

バンコクでたこ焼きが受け入れられた背景には日本ブームの影響が強く見られます。日本食の浸透とともに日本に関心をもつ人が増加したタイではタイ人目線で日本の魅力を紹介する旅行番組が制作され大ヒットしました。番組を見て日本に感心を持ったタイ人が増え日本旅行が大ブームとなり、日本旅行の時に食べたたこ焼の味に魅せられたタイ人達によりたこ焼きブームが巻き起こりました。

親しみやすさも人気の理由

たこ焼きがブームになった理由には親しみやすさもあります。タイではもともと「カノムクロック」と呼ばれるたこ焼きに似た球状のスイーツが売られていました。丸いたこ焼きに対して親しみを持つ人が多く価格も手頃だったことから未知の食べ物であるたこ焼きに対する心理的なハードルが低く、試しに食べてみたタイ人の心をがっちりつかんで着実にたこ焼きファンを増やしてきました。

甘いソースが人気

タイ人は暑い料理を苦手にする人が多いのですが、たこ焼きが人気になるとともに冷まさずに熱々を食べる人が増えています。甘辛いソースの味は日本人には馴染みのあるものですがタイ人にとっては新鮮な味として受け止められたのも人気の理由です。タイ人にとってはソースの甘さからたこ焼きはスイーツという位置づけになるようで、日本食を楽しんだ後のシメのデザートとしてたこ焼きを注文する人も多く見られます。

アレンジメニューでさらに人気拡大

現在のタイのたこ焼きはアレンジが盛んで独自の進化を遂げています。当初からタコに馴染みがないことからイカを具材に使うことが多かったのですが現在ではエビやサーモン、チーズやツナなどいろいろな具材を使ったたこ焼きが楽しまれています。